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自筆証書遺言は、遺言者が遺言したい内容の全文と日付を自署した上で、署名と押印をすることで有効に成立します(民法968条1項)。形式的な不備がなければ、手紙形式のものやメモであったとしても、それだけでは無効になりません。ただし、自筆証書遺言をする場合は、後で無効とされないようにするために、次のようなことろに気をつける必要があります。
自筆証書遺言は、遺言内容の全てを遺言者本人が自ら手書きする事が必要となります。一部でも他人が代わって書いた場合は、それだけで無効となってしまいます。
例外的に、遺言書に相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録に署名・押印をすることで目録自体は自書しなくても良いとされています(民法968条2項)。
「判例(最判昭和62年10月8日)」
手が震えてうまく書けない場合など、添え手をしてもらって作成した場合、添え手が単に書き始め、改行、字間、行間の調整のために遺言者の手を正しい位置に置くなど、筆記を容易にするにとどまる場合には自書にあたるが、それをこえて筆跡上添え手をしたものの意思が介入した形跡の有る場合には、自書にあたらない。
例えば遺言者が遺言書を作成したと当時すでに手の震えがあったはずなのに、きれいな筆跡になっている場合などには無効とされてしまう可能性がありますので、自書が難しい場合には、公正証書遺言が望ましいと言えるでしょう。
複数の遺言書が出てきたときに、どちらが後で書かれた(日付が新しいものが優先)ものか判断するときや、認知症が日々すすんでおり、遺言書が作成された時点で遺言書を作成する能力があったかなどを判断する場合に、いつ遺言書を書いたのかが重要となりますので、作成の日付は明確に自書する必要があります。作成の日付が自書されていない場合それだけで無効となってしまいます。
例えば、年・月のみで日が記載されていない場合は無効となったり(最判昭和52年11月29日)、「〇年〇月吉日」のような記載は暦(こよみ)上の特定の日を表示しているとはいえず無効となります(最判昭和54年5月31日)。
署名は、本人であることを確認するためのものですので、戸籍や住民票などに記載された字体と異なる字体だとしても同一性が確認できれば良いとされています。
たとえば、戸籍が旧字体の場合でも常識に照らして同一性が確認できれば良いとされていたり、通称やペンネームでも同一性が確認できれば良いとされています。
印鑑による押印は実印でなくてもよく、認め印でも指で押す指印でも構いません。
上記のような面に注意した上で遺言書を書くことで、遺言は有効に成立しますが、複雑な内容を記載すると不明確になりやすく、解釈をめぐって争う原因となり、せっかく争いを避けるために書いた遺言書が意味をなさなくなってしまいますので、なるべく簡潔に書いて解釈をめぐって争いが起こらないようにすることが重要です。
「細かい内容の遺言書を作りたい」・「少しでも争いにならないようにしておきたい」と考えている場合にはやはり公正証書遺言を作成されることをおすすめします。
遺言書が複数にわたる場合に契印をしておくことが望ましいですが、契印が無いからと言って直ちに無効になることは無く、1通であることが認識できる限りは有効とされます。
自筆証書遺言を作成した後に、内容の一部を訂正したい場合は、その個所を特定したうえで、一部変更した旨を付記して署名し、かつその変更場所に押印をする必要があります(民法968条3項)。これは自書ではない財産の目録を訂正する場合も同様です。
具体的な方法としては、訂正箇所に押印して、欄外に「この行〇字加入・〇字削除」などと記載した上で、その部分に署名します。
こちらではお役立ち情報について書かせていただきます。
どうぞご参考になさってください。
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